アスタリスク《✻》 第Ⅰ部 -栞莉-
著作者:浦島 礼仁
漫画家・デザイナー・映画監督と、様々なジャンルで表現を続ける浦嶋嶺至、初の小説作品。 中学からの親友・栞莉(しおり)と愛は、高校2年の春を迎え、やがて本格的に訪れる受験準備も心配しながら学園生活を送っていた。いっしょに受験したマーク模試に出てきた選択肢の見知らぬ記号『*』を愛に訊ねると、彼女は「アスタリスクって言うんだよ」と答える。「解がないとき、この*マークにチェックを入れるんだ」。 そんなとき、栞莉は愛からある相談を受ける。美術部である愛の絵のモデルになってほしい、という依頼だった。 栞莉もまた、悩みを愛に打ち明けようと思っていた。それは、愛の部活の男子生徒・瑶(よう)に対する恋の気持ち。栞莉は、愛の頼みを聞くかわり、瑶との仲を取り持ってくれるよう愛に頼む。引き受けてしまった愛だったが、瑶と栞莉が次第に接近していく姿を見るにつけ、彼女の中では己の想いとの齟齬が広がりはじめ、苦しみが募っていく… 高校時代の恋と友情の狭間で生きる10代の季節を切り取った、青春小説2部作の第Ⅰ部。