林遠里と福岡農法
著作者:本山一城
林遠里(はやしえんり)は幕末に福岡藩士として生まれ、明治時代前期に日本中に農業改革を広めた篤農家です。特に馬耕・牛耕はそれまでほとんど行われてなく、勧農社という学校をこしらえて門弟を育て、日本中に普及させました。戦後はトラクターに代わってしまいましたが、近代農法の魁をいくものでした。明治三大農老として知られていますが、その生涯を膨大な資料を使用して分かりやすく初めて漫画化しています。遠里は若い時は江戸や長崎に遊学し、伊豆の江川太郎左衛門の門を叩くなどして、武芸に励みました。そして、戊辰戦争にも参加しましたが、福岡藩は官軍になるのが遅かったため、明治になって冷飯を食わされます。そんな中にあって、農業改革に身を転じた遠里は最期の黒田武士の意地を見せ、福岡農家出身の門弟たちも日本のために命を懸けて働きました。そんな歴史の一端をご覧あれ。